ゆいブログ

がいじえんとおとすこーぷ

更新が御無沙汰していました。
3月の末から、例年通りワンちゃんの予防シーズンが始まっています。
例年通りの混雑による激務で、毎日を全力で精一杯過ごしております。
ちなみに、前回のブログでアップした通り
看護師さんの残業は劇的に減りました!
毎年この時期は看護師さんもヘトヘトになっていましたが
今年からはかなり楽になっていて嬉しい限りです。
…ちなみに、自分の残業は全く変わりません。
なので、ここ1ヶ月位、診療終了後は力尽きてしまい
疲れて横になってウトウトしていたら朝になっている
という毎日です。
そんな、予防診療の合間に重症患者が時折来院されるのが
毎年の恒例になっています。
そこで、今月はこの医療機器が大活躍しました。
当院自慢の内視鏡システム!
昨年から耳用のスコープ(オトスコープ)も追加して更に進化しています。
①まず、1円玉を誤飲してしまった、ワンちゃんの
胃から摘出する時に使用しました。
コインを摘出するケースはこれで2回目ですが
平べったい物を摘出するのは意外と難しく、コツが要ります。
(前回は泡だらけの胃液の中に10円玉が落ちていて
そして胃液で溶けていてツルっツルで大変でした。)
当院では、共に数々の困難な異物を摘出してきた
優秀な助手(看護婦さん)も居るので
そこはサクッと摘出出来ました。
②そして、難治性外耳炎のワンちゃんでオトスコープを使用しました。
外耳炎は我々動物病院ではトップ3に入る位、診療数が多い疾患です。
多くのワンちゃんは対症治療(イヤークリーナでの洗浄、点耳薬)
で良化しますが、近年、難治性外耳炎が徐々に増加しています。
特に増えているのが
ミニチュアダックスフンドとフレンチブルドックです。
耳の中の構造(耳道)は、犬種によってかなりバリエーションがあるのですが
このダックスとフレブルちゃんは
既に外耳炎になり易い構造になっているんです。
ダックスちゃんは、鼓膜の手前の凹みが深く
しかもそこに毛が生えている事が多く
そこに耳垢が絡み付いてしまうと通常の洗浄や治療では全く歯が立ちません。
前回も今回も、使用したのが、このダックスちゃんで
2人共全く同じ上記の様な状況でした。
このオトスコープ、鼓膜前の汚れをモニターで確認しながら
確実に取り除く事が出来ます。
勿論、毛を抜く事も出来ます。
これで数ヶ月悩まされていた、外耳炎が劇的に良くなります。
前回のダックスちゃんは幸い、1回の治療で1年位経過していますが
良い状態をキープ出来ています。
ただ、やはり構造的な問題なので、何回か
もしくは定期的にこの治療が必要なワンちゃんもいます。
今回も、治療後1週間後に来院して頂いた時は、とても調子良く
ワンちゃんの耳の聞こえが断然良くなったと飼い主様も喜んでいました。
恐らく、これらの医療機器を使用する頻度は
これからも増えていく傾向にあると思います。
(異物を誤飲するワンちゃんネコちゃんは必ず、定期的に来院されますし…。)
先日導入した、最新のエコー機器も
最近バンバン病気を見つけてくれていますので
やっぱり医療機器の重要性を感じます。
ただ、先輩獣医さんにも良くいわれる事ですが
最近は医療機器が進歩しているので
機械に頼りがちになってしまう事がしばしばあります。
…が、先ずは、体温、触診、聴診等の身体検査ありきです。
五感、経験そういったアナログな感覚も絶対に必要です。
なんせ、喋らない生き物相手ですから。
アナログ+デジタルそのバランスが非常に大事だと思います(`´)