ゆいブログ

りょうちゃん②

…あれから約10日経つんですが
「りょうちゃん」の容態があまり思わしくありません。
一時は少し歩けるまで回復したんですが
また首が傾き、目がぐるんぐるん回り出してしまいました。
考えられる治療を色々と行っていますが
今でも、まともに歩く事は勿論、食事も自力では出来ません。
前回のブログで挙げた
「老齢犬の特発性前庭疾患」なら、既にある程度は良くなっているはずです。
…という事は
病気の原因が、脳内の疑いがあります。
脳内の病気は、人間同様、治療が非常に困難です。
精密検査をする為には
大学病院で、全身麻酔下のMRI検査を行う必要があります。
スタッフとも話をしたんですが
彼女の治療は、当院で出来る限りの事を行います。
最後まで諦めずに
自分が責任を持って、全力で治療します。
例え毎日、食事を無理やり食べさせて、下の世話をする事が必要でも
最後の最後まで、献身的な看護や、出来る事は何でもやります。
この数日間
仕事の合間、休憩時間、仕事終わりに出来る限り彼女の側に居います。
弱っていく姿を見るのはとても辛いですが、これだけ側に居てあげる事が出来るのは、獣医師冥利に尽きます。
今日も1日のほとんどを、入院部屋の中で一緒に過ごしました。
愛情で病気が治るとは、思っていませんが
奇跡が起きる事はあると思っています。
少しでも彼女の苦しみが減るのであれば、例え自分の身が削れようとも構いません。
…だって、大事な大事な家族ですから。
ちょうど去年の今頃
父親が末期癌の危篤状態でした。
当院を何度か臨時休診にさせて頂き、父親の病院へ会いに行ってはいましたが
それでも、あまり側にいてあげる事が出来ず
とても辛く苦しい思いをしました。
それが昨日の事の様にフラッシュバックします。
もう二度とあんな思いはしたくありません。
父親も、りょうちゃんが大好きで、とても可愛がっていました。
休診日の散歩に連れて行くのが日課でした。
「親父、りょうちゃんは何とかするから。
天国から、見守っていて下さい。
このりょうちゃんの手は決して離さないから。」