ゆいブログ

ぼたん

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先日、午後の診療終わりに
全身傷だらけの猫ちゃんが、急遽来院されました
外に出る猫ちゃんなので
飼い主様はケンカをして、身体に傷があると思われていたみたいですが
室外猫ちゃんがボロボロになって帰宅した時に
考えなければいけない、もう一つの原因は
そう「交通事故」です
自分なりの、その見分け方があります
それは、爪の状態の確認です
交通事故に遭った猫ちゃんは
大体が、車にぶつかって飛ばされた後
地面に接地した際、その衝撃で爪がボロボロに削れます
それと、これは当然の事ですが、身体中の骨折の確認です
交通事故で特に多いのが、骨盤と下顎です
猫ちゃんの身体は
驚く程柔軟で、交通事故にあっても
ほとんどが内臓損傷等の致命傷を免れます
その代わり、骨折(特に骨盤)は比較的多いです
今回の猫ちゃんは
見た目は普通だったんですが
やはり爪がボロボロで
下顎を慎重に触ってみると、真っ二つに割れてグラグラでした
(こういったケ-ス、夜間救急病院の勤務時代に、よく遭遇しました)
そこで急遽
鎮静麻酔(30分だけ動けなくなります)をかけて
顎の固定を行いました
顎の固定に使うのが、これ
「ボタン」です
ボタンで縫い付ける?
いえいえ、金属性のワイヤ-で顎の骨を固定するんですが
そのワイヤ-が皮膚に食い込まない様にする為、使用します
治療後は
顎にボタンが縫い付けてある様に見えて、ちょっと不思議な猫ちゃんになります
実はこの猫ちゃん
連れて来ている方の職場に住み着いてしまった、野良さんなんですが
めちゃめちゃ大事にされています
避妊手術は勿論、ワクチン、ノミや寄生虫の予防
全てきちんと行ってくれています
当然、室内飼いを勧めてはいますが
猫ちゃんの野生性が強かったり、家庭内の事情等でどうしても室内飼いが出来ないという事で
やむを得ず外飼いになっています
今回、顎の固定をしても、しばらくは上手く食事を食べれませんでした
しかも、原因不明の高熱が続き
かなり厳しい状況でした
(野良さんなので入院治療は困難でした)
それでも飼い主様は
とことん治療される事を希望されたので
毎日通院して貰い、点滴注射と鼻から管を入れて食事を与える事を継続しました(一週間も!)
一週間位して
要約、熱も治まり、食事も自力で食べれる様になってくれました
ここまで諦めず、必死に
通院して頂いた飼い主様にホントにリスペクトです
(仕事があるにも関わらず、猫ちゃんの治療を優先して頂きました)
いくら我々が頑張っても
やはり飼い主様の協力無くしては
治療が上手くいかない
という事を改めて痛感しました
NO KAINUSHISAMA NO YUIMAAR!
…ちなみに
今回の顎の治療の時に、自分の頭の中でかかっていたBGMは勿論これ
大好きな
HUSKING BEE「欠けボタンの浜」
でした(・_・)