ゆいブログ
かんぞうしゅよう
先日、当院で肝臓腫瘍摘出手術がありました
肝臓は
お腹の中の手術でも、非常に神経を使う臓器です
何故なら、解剖学的にその場所が、お腹の奥深くにあり
多くの血管や肝管が、複雑に入り組んで存在するからです
なので
いかに、肝臓を手術し易い状況に露出するか
がとても重要になります
そこで
通常のお腹の真ん中を切開する方法に加えて
①胸の真ん中の骨を一部切断し、横隔膜ごと切開する方法
②左右の肋骨に沿って、お腹を横に切開する方法
を状況に応じて、組み合わせて手術します
(今回は、胸までは切開しませんでしたが、横の切開は加えました)
また、肝臓自体とても脆い臓器で
少しでも油断すると、容易に大出血します
今回摘出した腫瘍は、肝臓の内側に入り込んでいて
表面がとても脆く、少し持ち上げただけでも
直ぐに裂けて出血する様な状況でした
当然、慎重に腫瘍に触れたつもりだったんですが…
触れた瞬間、一瞬でほんの数㍉裂けて、血が噴き出しました
こういうピンチは過去に何度か経験し、その度に何とか乗り越えて来ましたが
毎回、寿命が縮む思いをします
とにかく焦らず、冷静に行動する事が大事ですが
やっぱりその瞬間は、テンパります…
何とかじっくり止血処置をして
その後、無事に摘出する事が出来ました
(幸い、出血も大した事無く、輸血も必要ありませんでした)
この手術の為に、数週間かけて、あらゆる準備をして来ました
大学病院でのCT検査
大学病院の腫瘍科の先生方との、手術の打ち合わせ
胸を切開する準備
輸血の準備などなど…
一つ一つ積み重ねて
手術を乗り越えれた瞬間の喜びは、何にも代え難いものがあります(;_;)