ゆいブログ

びらん

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先日、当院へ長らく闘病していた患者様が二人、旅立ちました
今回は、その一人(猫ちゃん)のお話しです
その猫ちゃんが
初めて来院した時は今でも忘れません
かなりの巨体(…肥満?)のスコティッシュちゃんでした
(飼い主様は、「この子は、中で小さいオジサンが数人、着ぐるみ被って動かしてるんですよ(笑)」と言っていました)
その来院した理由が、「眼が上手く開かない」でした
各種検査から、患者様は「難治性角膜びらん」である事が分かりました
この病気は
原因不明で、突然、角膜の一部(眼球の透明な部分の1番上の膜)が剥がれてしまう病気です
そこまでメジャーではありませんが
結構、来院頻度の多い眼の病気で
当院では、1年間で必ず数件(ワンちゃんも猫ちゃんも)は治療しています
(…たまたま、現在も一人が治療中です)
一見、ただの眼の傷の様に見えるのですが、普通の点眼治療では、なかなか治らない(いわゆる難治性)という大きな特徴があります
治療としては、角膜の剥がれている部分を、物理的にしっかりと取り除く事が重要ですが
その方法は様々で、綿棒や、歯を削るドリルの先端で剥がしたりもします
また、単に剥がしただけでは治らない事も多く、その場合には
剥がした後の角膜に、麻酔下(点眼・鎮静麻酔や、場合により全身麻酔も使用)で
注射針で無数の刺し傷を作ったり(点状切開)、微細なメスで格子状に傷を作ったり(格子状切開)と
わざと傷を付けて再生力を引き出す治療も行います
当院では、上記の治療を全て駆使して治療を行って治してきましたが
唯一、それでも治らなかったのが今回の患者様でした
(補足ですが…
猫ちゃんには、上記の様な角膜に傷を付けて治す方法は、教科書的には勧められていません
ですが、眼科の得意な知り合いの先生が、猫ちゃん数人を、その傷を付ける方法で治癒させたという報告をしています
なので当院でも行っています)
二度程、麻酔下で処置をしたにも関わらず、再発を繰り返したので
知り合いの眼科専門病院を紹介する事も提案させて頂いたのですが、飼い主様はとことん当院で治療する事を希望されました
そこで、当時、毎晩頭を悩ませて、色々調べまくって
とある眼科専門の先生が、犬の重度な角膜の傷に「角膜再生ディスク」という物を使って、治したという報告を見つけました
調べると、そのディスクは、豚の膀胱粘膜から作られていて、角膜を再生する足場を作る役割があるという事でした
日本では手に入らない物だったので、直ぐに個人輸入して取り寄せて
飼い主様に承諾を得た上で使用して治療しました
正直、これで治癒するか全く保証は無かったので
とても不安だったのを、今でも昨日の事の様に覚えています
…結果、なんとか無事に治癒する事が出来ました!
数ヶ月間に及ぶ治療に耐えて、付いて来てくれた患者様と飼い主様には、今でも本当に感謝しています
…それ以来、一度も出番が無いですが
今回の画像が、その角膜再生ディスクです