ゆいブログ
あいってすばらしい
当院が、コロナ対策を開始してから約2か月になりますが
要約、予約診療というモノが浸透してきて
スタッフも患者様も大分慣れてきたかなと思っています。
巷では、徐々に色々な規制が緩和されつつありますが
当院では、第2波を警戒して
引き続きしっかり対策を継続しています。
なので、飼い主様の皆様にも
事前電話予約(当日、前日までの要連絡)を徹底して頂ける様
宜しくお願い申し上げます。
また、診療の仕方が変わりましたら
随時このHPでアップ致しますので
来院前に、御確認して頂けると幸いです。
ちなみに、朝一番の9時〜10時頃までは
予約のお問い合わせが殺到しますので
電話が繋がりにくい事がしばしばあります。
その場合は、少し時間をおいてかけ直して頂けるとありがたいです。
今回は、脳腫瘍で長い間闘病した患者様についてお話したいと思います。
まだ中年齢のワンちゃんだったのですが
ある日突然、激しい痙攣発作を起こすようになってしまいました。
発症年齢、症状から、明らかにてんかん様発作とは異なり
脳内の異常(腫瘍)が疑われました。
早急に大学病院の脳神経科の予約を取り、MRI検査を行う事になりました。
検査の結果、やはり巨大な脳腫瘍がみつかりました。
大学病院では、治療の選択肢として外科手術も提案されましたが
かなり巨大な事から、完全摘出は困難である事と
長時間の全身麻酔のリスクの負担を考慮して、手術は希望されませんでした。
大学病院の見解では、手術をしなければ1ヶ月も厳しいという事でした。
その後は、激しい発作を抑える為に様々な投薬を行い
入院して治療したりもしましたが、なかなか発作が止まりませんでした。
このままでは、間違いなく発作の為に命を落としかねない状況でした。
そこで、飼い主様と相談の上
効果の程は不明ですが、抗炎症剤の投与を開始しました。
それが功を奏して、数日後から完全に発作が止まり
ワンちゃんの状況が劇的に改善され
驚く事に、以前と同じように生活できる様になりました。
途中、角膜潰瘍になったり(角膜穿孔しかけ)
膝の靭帯を損傷して、歩行困難になったりもしましたが
何とか、それらも治癒して、発作も無く平穏な日が続き
7ヶ月も経過しました。
7ヶ月経過した頃、とうとう発作が少し出始めてしまい
徐々に弱っていき、御逝去されました。
ワンちゃんは、最期の最後まで大きく苦しむ事無く
7ヶ月もの間、御家族とたっぷり幸せな時間を過ごす事が出来ました。
闘病中は、飼い主様とメール等で密に連絡を取り合い
共に病気と闘いました。
たまたま、抗炎症剤が効果を示す脳腫瘍だったとは思いますが
余命1ヶ月と言われても、ここまで延命出来ました。
何よりも御家族の元で、ワンちゃんととても濃密な時間を過ごせた事に
飼い主様はとても喜んでいらっしゃいました。
大きな病気と闘う時に、いつも思う事ですが
何でもかんでも、薬を使ったり、注射したり、手術したり
そういった事が全てではないと思っています。
そのワンちゃんの、体力、年齢、性格、等々を考慮して
何よりも大事な事が
飼い主様の御意向に寄り添う事
そして
ワンちゃんと飼い主様ご家族が一緒に過ごせる時間を大切にする事
だと思っています。
まさに、当院の理念「ゆいまーる」に基づいての考えです。
この仕事、辛い事や苦しい事ってキリが無い程、沢山あります。
むしろ、楽しい事、嬉しい事の方が極一部です。
それでも、自分がここまで続けられているのは
こうやって、飼い主様とワンちゃんネコちゃんの
深い愛情に感動させられる事があるからです。
時には、人間同士よりも、遥かに強い絆を感じる事もあります。
やっぱり、愛って素晴らしいですね。
この世が、ワンちゃんネコちゃんを大事にする人間ばかりなら
世界が愛で溢れて
戦争も差別も無くなるんじゃないでしょうか?
なんて本気で考えてしまう今日この頃でした(;^ω^)